第16章 ハロウィーンパーティー
子どもたちの量も一段落つき、ひとつため息をつく。
「お疲れ、タカヤ」
両手いっぱいにお菓子を抱えた係長が俺に近付いてきた。
「お疲れ様です…」
「最初っから大人気だなぁ。はい、追加のお菓子」
「えぇ!?」
籠いっぱいに増やされてしまった…。
項垂れる俺の肩をポンと叩き、係長は何処かへ行ってしまった。
もう一度ため息をついたとき、後ろからスカートを少し引っ張られる感覚があって、後ろを振り向く。
そこには、小さな女の子が立っていた。
あ、日本人の子だ。
「あの……お菓子下さい」
日本語でそう小さく呟く。
俺は女の子に視線を合わせ、ニコッと笑った。
「はい。チョコレートでいいかな」
女の子は嬉しそうに顔を輝かせ頷いた。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
お菓子を貰った女の子は、お母さんであろう人のもとへ走っていく。
ああいう子の笑顔を見てると、何だか元気がわいてくるな。