第16章 ハロウィーンパーティー
「貴夜…?」
声をした方に振り向くと、隼人が驚いた表情で立っていた。
「どうした?」
「あ…いや…」
訳が分からず、首をかしげる。
「何だよ」
「えっと…。その格好、似合ってると思って…。想像以上に可愛くてびっくりした」
顔が赤くなっていくのが分かった。
よくそんな恥ずかしい台詞言えるな。
俺なんか、平常心保つのに精いっぱいだったのに。
隼人のヴァンパイアの格好も、想像以上にかっこよくて、似合ってて、ドキドキしてる。
でもそんなこと言えるわけもなく、俺は帽子で顔を隠した。
「照れてんの?」
「照れてない」
そんなやり取りをした後、招集かけられて、全員中庭の中心に集まった。
「皆、今日は例年より盛り上がること間違いなしだ」
クラウスさんが、そう叫ぶ。
しんと静まり返り、クラウスさんは辺りを見渡す。
そして、いつもの笑顔を見せた。
「来たお客様に最高のおもてなしを……。ハロウィーンパーティーの、開始だ!」