第2章 *跡部社長、妻を愛すの巻*【R18(仮)】
そして自室に篭って暫く。
突然ノック音が聞こえて振り返ると、コーヒー片手に申し訳なさそうな顔をしたが立っていた。
俺の側まで来て最初に言った言葉は……
「ごめんなさい……」
だった。
泣きそうになったのか俯いて、俺を見ようとしない。
甘えてくればいいのにして来ないという事は遠慮しているんだろう。俺様には分かる。
仕事の邪魔はしたくない……と。
「じゃ、じゃあ私……部屋の外に居るから……」
「待ちな」
「あ……でもまだ仕事あるんでしょ…?」
「休憩だ」
優しくを抱きしめてやると、驚いた表情でこいつは俺を見上げてくる。
結婚して数年。
何も遠慮する事はない。
妻を大事にしてこその跡部景吾。
このままを放置するわけにはいかなかった。
「景吾…?」
「お前……俺様に隠し事か?あーん?」
「隠し事って…?」
「バーカ、寂しいなら寂しいって言え」
「そんな事ないよ…!」
「バレてるんだよ。……悪かったな」