第2章 *跡部社長、妻を愛すの巻*【R18(仮)】
*跡部side*
「何だ、また寝てるのか」
会社から帰宅してリビングに足を向けると、そこにはテーブルに伏せて寝ているの姿が。
そして側には飲みかけのコーヒー。
こんな光景……俺は何回見ただろう。
〝ごめんね…!また寝ちゃった……〟
〝これじゃ奥さん失格だね、ごめんなさい……〟
きっとこいつはまたこう言う筈。
ここ最近仕事が忙しくてまともに会話もせず、に寂しい思いをさせているのは事実だ。
だがはそれについては何も言わない。
俺の帰りが遅いなら起きて待ってる。
俺の出社が早いならそれより早く起きてご飯を作る。
それが妻である自分の役目であると……そう思っているらしい。
けどいつもすれ違いになってしまう。
現にこいつは起きていない。
「バーカ、俺様に合わせる必要なんかねぇよ」
パジャマ姿のままスヤスヤと寝息をたてているに自分の背広を掛けて、俺は自室へと消えた。
帰ったとはいえ、まだまだ今日中に仕上げなければならない仕事がある。
仕事仕事仕事……
毎日大量の仕事をこなせるのは俺様くらいだろう。
だがそれは……の心という大きな犠牲を払っている事を忘れてはいけない。