第4章 *跡部、進撃の世界にトリップするの巻*
一球じゃ足りないのかと思い、持っていたボール全てを確実に当てても全く意味がなかった。
何故だ…!確かに弱点に当てた筈!
とか思っているうちに、いつの間にか全裸野郎が目の前まで来ていて俺を見ていた。
「なっ!くそッ……離しやがれ!」
そいつに片手で掴まれて、どんどん地面が遠くなって行く中……俺はまだ演技の真っ最中。
喰われてしまうのは納得いかないが、やるからには美しく喰われてやろう。
そう心に誓った。
「俺様を喰えるなんて随分と光栄じゃねぇか。有難く味わいな」
「あのバカ…!」
遥か遠くに見えた刈り上げらしき人物が変なワイヤーを俺様に向かって発射。
刺さった先は全裸野郎の手。
物凄い勢いでこっちに飛んで来る刈り上げ野郎に俺はこう言う。
「助けはいらねぇ。俺様を誰だと思ってやがる」
「……」
辛うじて出ていた手で前髪をかきあげながら阻止したら、刈り上げ野郎が冷め切った目で俺様を見て来た。
そんなのお構いなしにどう喰われようか考えていると、パクッと全裸の口の中に丸々放り込まれてしまったのだ。
これでは美しくも何もない!