第2章 非日常の始まり
―――――――――――
路地裏をしばらく歩いていると、足がつかれてきた。
そういえば、昼から一回も休んでない。
近くに用水路が流れているのを見つけると、そこの縁に腰を下ろした。足への負担が一気になくなるのを感じる。
「はぁ……」
ため息を一つ吐き、上を見る。
建物の間から青い空が顔を出していた。
――いつまでこんなことやるんだろ。
ふと、そんなことを思った。
ちゃんとした職にもつかない。
ちゃんとした服も着ない。
……ちゃんとした人生も送らない。
しまいには、盗み……否、犯罪まで犯して。