第1章 空よ、泣き止め
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『乱暴な音ねぇ。』
『…。』
『けど不思議。こんなに乱暴な音なのに、綺麗で優しい音がするよ。』
『…なに訳わかんねー事言ってんだ。変な女だな。』
『ふふ、晋助も上手く弾けるようになれば分かるようになるさ。』
『偉そうに言うな! お前だってやっと「てるてる坊主」弾けるようになったばっかのクセに。』
『ふふふ、冗談さね。でも、アタシァ早く晋助と一緒に弾きたいよ。だから練習頑張って。』
『…こんなもん、すぐに弾けるようにならぁ。ちょっと待っとけ。そしたら……。』
『そしたら?』
『…そしたら、ずっとお前と一緒に弾いてやる。お前が嫌だっつても、俺はずーっとお前の隣で弾いてやるからな!』
『そいつぁ、嬉しいねぇ。ますますアンタが上達するのが楽しみだ。』
了