第15章 【東峰 旭】年下の彼氏
「好きです。付き合ってください…!」
それからは、旭の猛アタックが続いた。
年の差とか色々悩んだけど、
旭のまっすぐな想いに、私の心は動かされた。
そして、私たちは付き合うことになったのだ。
旭は私の仕事が早い日には、私の一人暮らしの部屋へ来る。
旭のご両親はとても素敵な方で、
年の離れた私の事も、快く受け入れてくれた。
「出来たー!」
私が明日締め切りの企画書を仕上げ振り返ると、
旭はベッドでうたた寝をしていた。
「あーさひ?風邪ひくぞー」
「・・・もう終わった…の?」
目を擦って眠たそうに聞く旭に
私はピースサインで返事をする。
お互いお風呂に入って髪を乾かし、布団へ入る。
「なぁ、ひろか」
「ん?」
「俺ももう高3だし、俺が卒業して就職したらさ…けっ、結婚しないか?」
「えっ!?」
旭が照れながらも真剣な顔でそんなこと言うもんだから、
私はついつい照れ隠しをしてしまう。
「なーに言ってんの!社会人1年目で女を養おうなんて甘い甘い!」
私がそう言うと旭は残念そうに、ダメかぁ。とため息を吐いた。
彼の気持ちに嘘はないだろうし、そう言ってくれるは本当に嬉しかった。
まぁ、まだ考えが子供ではあるけど。
「…結婚は別として、一緒に住むくらいなら…。
旭、身体大きいから今の部屋もベッドも狭いし…」
私がそう言うと、旭の顔がパァッと明るくなった。
「本当に?約束だからな?」
旭は身体を起こしてそう言い、私にキスをした。
「誓いのキス?」
私がくすくす笑うと、旭も一緒に笑った。
「ひろか…、さっきの続きしよう?」
「…うん」
数年後、私は東峰 ひろかになった。
The End