第97章 【京谷 賢太郎】それはきっと空のせい
翌日から俺は部活に戻った。
久しぶりに戻った部活は前の雰囲気とは少し違った。
もちろん、面倒くせぇ部分もある。特に矢巾が何かにつけて俺を怒鳴った。
けど、矢巾が怒鳴るから周りから怒鳴られることはほとんどなかった。
そして、部室で矢巾と渡が話をしているのが耳に入ってきて、あの日佐藤が泣きそうな顔をした理由が分かった。
“ピアノのレッスンの後に友達に呼び出されてお茶してたの”
あの日、矢巾は佐藤の親友に告白した。
きっとその親友にそのことを相談された帰りだったのだろう。