第97章 【京谷 賢太郎】それはきっと空のせい
「それでは、初めは生徒会で進めて行きますが、次回からはみなさんで進めてもらうため、司会進行役と書記を決めたいと思います。どなたか立候補ありませんか?」
生徒会の一人がそう即したが、周りからは面倒くさいという声があがった。
「おい、岩泉!お前やれよ!」
声をあげたのは、引退したバレー部の3年だった。
くそヘタクソな野郎。
「・・ウス」
そう言って席を立ち、岩泉さんは生徒会が立っていた教卓の前に立った。
「それでは、書記を決めたいと思いますが・・誰か立候補する人いますか?」
一気に教室がシンと静まり、全員が目線を落とした。
「出来れば1年の意見も出やすいように、1年から出てくれると助かる」
その言葉に1年の実行委員たちの目線が佐藤に集まった。
「あっ、じゃぁ、私・・やります!」
その視線に気がついたのか、俺の隣で佐藤が挙手をした。
「おぅ、頼む」
「はい」
席を立って前に進む佐藤に周りの奴らが、ごめんと手を合わせた。
それに対してこいつは大丈夫、大丈夫とヘラヘラ笑っていた。