第96章 【花巻貴大/コラボ企画】kiss with you
「・・付き合って下さい」
「・・へ?」
「・・遊びでもいいです!2番目でも3番目でもいいので彼女にしてください!!」
私の告白にポカーンと口を開けたままの花巻先輩。
そして後ろから大きな笑い声が聞こえてきた。
「お前、どんだけ遊んでる男だと思われてんだよっ!・・ぶっは!ダメだ、腹痛い・・クックック」
その声の主は松川先輩。
花巻先輩の肩に手を置きながら、もう片方の手でお腹を抱えていた。
「うっせーよ、松川。お前らちょっとどっか行ってろ」
「へいへーい」
花巻先輩は松川先輩達を手で払って、ため息を吐いた。
松川先輩達の背中が見えなくなった頃、…で。と話を切り出した花巻先輩に、私はグッと身体を固めた。
「俺と付き合いたいってことでいいんだよな?」
「・・はい。遊びでもいいんです。お願いします・・!」
頭を下げる私を見て、花巻先輩はもう一度大きく息を吐いてから口を開いた。
「女が遊びとか言っちゃダメだろ」
そう言って、グッと下げていた私の身体を起こした。
「お前、本当面白いな。いーよ、付き合うか」
そう言って花巻先輩はいつものような意地悪な笑顔を見せた。
「ほっ、本当ですか?」
「おぅ!・・じゃぁ、今日からよろしく!」
「あら、もう食べないの?」
「うん。ご馳走様」
その日、まだ夢のようでご飯も喉を通らなかった。
ピロン
スマホを開くと花巻先輩からの連絡。次の祝日が部活も休みのようでデートに誘ってもらえた。花巻先輩と本当に付き合えたんだと思うと、ドクンドクンと心臓が早く音を鳴らした。私はスマホを抱きしめたまま、ベッドの上で足をバタつかせ、枕に顔を埋めた。