• テキストサイズ

【★ハイキュー!!★】短編集

第96章 【花巻貴大/コラボ企画】kiss with you



放課後
委員会終了後渡り廊下を歩いていると、体育館からバレーボールが転がってくるのが見えた。私はそのボールを手に取って、ゆっくりと体育館の入口に向かった。
もしかしたら花巻さんが出てくるかもしれない。そう思うと緊張で足が震えてしまう。

「すいません!・・ありがとうございます」

男性の声が聞こえて顔を上げると、そこには1年生らしき男の子が立っていた。学校指定ジャージを着ているから、恐らくそうなんだろうと思う。

「花巻先輩なわけない・・か」

私はペコリと頭を下げる彼が走り去る姿を見ながら花巻先輩の姿を探した。
沢山いる部員の中に混じっていてもすぐに目を惹く花巻先輩。
入口から一番離れた奥のコートでスパイク練習をしていた。

「・・カッコイイ」

スパイクを打つ花巻先輩、順番待ちの際にチームメイトと話をして笑っている花巻先輩、時々コーチにドヤされている花巻先輩。
どれもカッコよくて目が離せなかった。

ピーっと笛が鳴って、休憩!と声がかかる。
その音で我に返りハッとした。さっきまで一人だったのに、隣に女の人が立っていたからだ。

「花~!!!」

その人はいつも花巻先輩と一緒にいるグループの一人。購買で花巻先輩が肩を組んでいた女の先輩だった。

休憩中、ドリンクを飲んでいた花巻先輩が彼女の声に気付いてこちらへ向かってきた。
花巻先輩がこっちに来る。そう思うと心臓がバクバクしておかしくなりそうだった。

「どした?」

右手にドリンクを持ち、左手で入口の縁に手をかけ、少し前かがみの状態の花巻先輩。
汗がポタポタ落ちてきて、それがとてもセクシーだった。

「ごめん、急用出来たから先帰るわ!」

「は?お前から帰りにアイス食いに行こうって誘ってきたのに!」

「ごめんごめん!また今度おごる!」

「・・シュークリームな!ダブルのやつ」

ムスっと膨れる花巻先輩。
こんな可愛い表情は見たことがない。

「了解!じゃぁ、また明日」

そう言って彼女は去って行った。

/ 700ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp