第95章 【矢巾/京谷】ほっとけない友人達
私にはほっとけない友人がいる。
彼との出会いは中学1年の時。
小学校を卒業して、中学にあがる。
隣の小学校と一緒になるため、小学校よりも少し人数が増えた。
知らない顔がすごく新鮮でワクワクしたことを今でも覚えている。
「はじめまして。私、佐藤ひろか。よろしくね」
「あっ、俺は矢巾秀。よろしく!」
隣の席の男の子は目がクリっとしてて、可愛い男の子だった。
彼とはなんとなく気が合う予感がした。
彼のコミュニケーション力はとても高く、あっという間に仲良くなった。
「矢巾、バレー部入るんだ!私のお姉ちゃんもバレー部だったから、私もバレー好きなんだ!見るの専門だけど」
「マジで?じゃぁ、佐藤もバレー部入れよ!」
「あぁ・・私は無理。ピアノやってるんだ。だから突き指とか出来ないし・・」
「そっか・・。じゃぁ、試合見に来いよ!俺頑張ってレギュラー取るから。な?」
そう言って笑った矢巾に少し胸が熱くなった。
それからと言うもの、私は休みの日であれば必ず矢巾の試合を見に行った。
矢巾は1年の時はそれほど大きい方ではなかったけど、2年になってグングン背が伸びていった。バレーも上手で2年でレギュラーを勝ち取った。
もともと可愛い顔立ちだったので、女子からの人気も集まってきていた。
それでも矢巾は私と一緒にいた。
自分で言うのもなんだけど、私が一番仲のいい女友達だった気がしていた。
そんなある日、クラスの女子から矢巾が好きだから協力してほしいと言われた。
「ねぇ、矢巾のどこが好きなの?」
「2年になって背が高くなったし、部活でレギュラー取っちゃうし!」
「そっか・・」
それからと言うもの、私はなるべく自分から矢巾に声をかけないようにして、矢巾から声をかけられても、すぐに終わらせるか、彼女を呼んで3人で話をした。
それから半年くらい経った時、
矢巾と彼女が付き合ったことを報告された。