第91章 【菅原 孝支】ゲーム・・だよね?
ドンッ!
「俺を好きだって言うまで離さないっ・・!!」
「・・うぅ~ん。それ少女マンガの読み過ぎじゃない?だって本当に好きじゃなかったら脅迫だよ?」
「「アハハハハ、確かに~」」
なんか、俺にだけ厳しくない?なんて駄々をこねながら彼は元の位置に戻る。
「じゃぁ、次澤村な~」
ギリギリまで頭を抱えて澤村が私の前に立つ。
トンッ
「俺は、佐藤の事・・ずっと好きだった。・・・ダメだ!恥ずいっ!!!」
澤村は途中で顔を赤くして、私に背を向けた。
ヘタレ~などと周りからクレームの嵐。
「澤村~、しっかり~!じゃぁ、次は?菅原?」
私がそう言うと、菅原がはーい!と挙手して私に前に来た。
私にゆっくりと近づいてくる。
その表情がさっきまでのヘラヘラした顔じゃなくて一瞬ドキっとしてしまう。
「ねぇ・・佐藤・・」
トンっ
壁に優しく手をついて菅原は私の耳元で小さく言った。
「告白は二人っきりの時にしたいから、部活終わるの待ってて?」
そう言って菅原は身体を離して元の位置に戻った。
「えぇ~!菅原なんて言ったの?」
「ん?好きです。付き合って下さいって言ったよ?」
「なんだよ、普通じゃねーか!」
あんなノリノリだったのに~なんて笑われて、菅原もごめんごめんと笑っていた。
「あれ?ひろか帰らないの?」
「あっ・・ちょっと読みたい本があって・・」
あれはゲームでの演技なのか、本気なのか、はたまた悪戯なのか。
全く内容が入ってこない本をペラペラめくりながら、菅原が本当に来るのかを待っている。
ガラガラガラッ
暗くなった教室の扉が開く。
TheEnd