第90章 【及川 徹】だから嫌いなんだよ
「おぉーい、佐藤!」
「なーに?」
「また助っ人来てくんね?」
あれは隣のクラスの奴だ。確か、ダンス部。
「じゃぁ、一週間昼食オゴリね?」
「おいおい、3日だろ。せめて3日にしてくれ!」
彼はそう言って彼女の肩を組んだ。
すると彼女も彼の肩を組む。
「間を取って4日だね?」
「・・・分かったよ。その代り、今日から練習来いよ?」
オッケーと彼女は彼とハイタッチをして笑っていた。
俺のこと好きって言ったくせに、
他の男と肩なんか組んでハイタッチして。
今まで俺には触れてきたりしたことないくせに。
朝の挨拶だって、そっちが一方的にしてくるだけで俺の返事なんて待ってくれないくせに。
俺のこと好きって言ったくせに…。
彼女を見ていると無性に腹が立つ。