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【★ハイキュー!!★】短編集

第9章 【月島 蛍】兄貴はずるい


「え?あき兄に告白なんてされてないよ?」

騙された…。兄貴の嘘にまんまと騙された。

休日。ひろかは僕の部屋を訪れていた 。
いつもの定位置。
僕はベッドに腰掛け、ひろかは床に座っていた。

「ねぇ、なんで僕の部屋ではベッドに座らないわけ?」

「それは…その…蛍ちゃんは、男の子…だから?」

頬を赤く染めて答えるひろかを見たら、
僕の口元が緩んでしまう。

「何?意識してんだ。幼馴染なのに?」

「…っ!今はかっ、彼氏だもん!」

「付き合う前からそうだったじゃん」

むーっと僕から視線を外すひろか。

「ねぇ、いつから僕の事、男として意識したわけ?」

更に追い打ちをかけると、
知らない。と立ち上がって僕のそばから離れようとした。
もちろん僕が離すわけもなく、
そのままベッドの上へ座らせる。

「ねぇ、いつから?」

「わっ、わかんないよ。ずっと前からだもん…」

「ねぇ、僕のどこが好きなの?」

「…意地悪だけど、優しい所!って、蛍ちゃんは?私のどこが好き!?」

「そんなの言うわけないじゃん。バカじゃないの」

「えぇーー!何でーーーー」

僕は駄々をこねるひろかの口を塞いだ。

「ひろかは僕のものだから…ね?」

コクンと頷いたひろかにもう一度キスをした。







ちなみに…

山口には全て筒抜けで、
兄貴の策略も、ひろかの気持ちも、
僕の気持ちまで分かった上での行為だったことがわかった。



「ねえ、ツッキー!なんか機嫌いいね」

「山口…うるさい」

「ごめん、ツッキー!」


兄貴は僕にないもの何でも持っていてずるい。
けど、僕は今のままでいい。


The End
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