第76章 【菅原 孝支】ウインザーノット
「あぁ、そんな事あったな~」
俺は当時の自分を思い出して苦笑いをした。
「孝支って結構ヤキモチ妬きだよね?」
ふふふと笑って、はい!出来たっ!と俺の肩を叩く。
俺の首にはキレイに結ばれたネクタイ。
全身鏡で見ると、やっぱりひろかが選んだネクタイにして良かったと感じる。
「そんなんじゃ、この子産まれたら大変だね?」
「えっ!?」
全身鏡からひろかに目線を移すと、ひろかはお腹を擦って言った。
「2か月・・・だって」
そう言って笑うひろかを俺は抱きしめた。
「マジで?マジで!?」
「・・・うん。ふふふ」
はしゃぐ俺にひろかは呆れながら口を開く。
「子供にヤキモチ妬かないでよ?・・・ねっ?パパ!」
そう言うひろかに俺は何度もキスをする。
「・・・孝支?仕事…遅れちゃう・・・よ?」
「うぅ~ん、もう少しだけ。・・・ね?」
TheEnd