第71章 【菅原 孝支】男の子
「ねぇ」
菅原が私の頬を両手で包み込んだ。
クイっと顔を上げられて、菅原と目が合う。
「ストラップ外されたかと思ったの?」
「・・うん」
「他の女子に嫉妬した?」
「・・・うん」
「寂しかった?」
「・・・・・・・うん」
ハハと菅原は笑って、私のおでこに自分のおでこをくっつけてきた。今にも触れそうな菅原の唇が動く。
「ねぇ、ドキドキしてる?」
「・・うん」
「俺も」
菅原はゆっくり私のおでこを解放した。
まだ両頬には菅原の手を添えられていて、目の前にはちょっぴり意地悪な顔で微笑む菅原がいた。
「ねぇ、キスしていい?」
「えっ・・・」
「ダメ?」
菅原はそう言ってほほ笑んだ。
「ずるい。菅原ってこんなに意地悪だっけ?」
「ハハ。これは男の俺。俺だって男だよ?好きな子には意地悪したい」
今まで見たことのない菅原の一面。
男友達じゃなく、男の子の菅原。
「・・・いいよ」
私がそう言うと、菅原はやった。と笑った。けど、すぐにキリッと男の子の表情に変わった。可愛いと思っていた菅原の顔。なのに今私にキスをしようとしている菅原は色っぽくてカッコイイ。男の子なんだな。改めてそう思った。
今にも心臓が飛び出そう。
「ふっ。可愛いなぁ~。佐藤はっ」
私は菅原の腕の中で優しいキスをもらった。
「もう友達には戻れないよ?」
「えっ?」
「俺も男だからね?あと、結構ヤキモチ妬くし。好きな子には意地悪もしちゃうからね?」
菅原はまた男の子の顔で微笑んだ。
TheEnd