第61章 【烏野3年トリオ】卒業
「菅原 孝支」
「はいっ!」
菅原…。
1年の時から、人見知りな私にいつも声をかけてくれたよね。ちょっとした井戸端会議にも、坂ノ下商店に寄る時も、必ず私を誘ってくれた。だから、あっという間にみんなの輪に入れたよ。この3年間、私の名前を呼んだのは菅原が一番多いって思うよ?
副主将になって、部員達一人一人をちゃんと見ていたのは菅原だった。コートの中でも外でも、誰よりもチームを見てくれてありがとう。私が体調悪い日にこっそり声をかけてきて、保健室に連れて行ってくれたよね。あとさ、菅原が笑ったらね、なんか大丈夫かもって思えたんだ。菅原の笑顔はみんなの精神安定剤だったよ。
最後のインターハイ前の合宿で、私達3人に、俺より影山だと思うって、自分の気持ちを話してくれたね。私達が思うよりもずっと辛く悔しい思いをしているはずなのに、菅原の顔はしっかり前を見ていた。かっこいい。素直にそう思ったよ。
烏野のセッターが菅原で本当によかった。