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【★ハイキュー!!★】短編集

第53章 【月島 蛍】僕は君が嫌い。


次の日

「月島くーん、おはよー」

彼女は相変わらずの格好で登校する。

「だから、ちゃんとしなって」

僕が呆れてリボンを直すと、へへへーと笑う。

昼休み

彼女は相変わらずキレイにおにぎりを剥けない。

「ったく、・・・はい」

僕が剥いたおにぎりを受け取り、小さな口に運ぶ。

部活中

彼女は相変わらずドジをする。

「何やってんのさ」

へへへーと笑って、仕事に戻る。

あぁ、本当に嫌いだ。







「なぁなぁ、無人島に1つだけ持っていくなら、何を持っていく?」

日向がまた訳の分からないことを聞き始める。

「まず無人島に行かないから」

「月島ー、そんなこと言うなよ、な?」

菅原さんが僕の肩に手を置いた。

「じゃぁ、日向は何を持っていくわけ?」

「バレーボール!!」

部員たちが笑う。
くだらない質問とバカにしていた先輩達も今は真剣に無人島に持っていくものを考えている。

僕はお先です。と1人先に部室を出た。

「あっ、月島くーん。お疲れー」

僕が彼女の横を通り過ぎると、彼女は駆け足で僕の隣に追い付く。けど数秒後にはまた2、3歩後ろになる。
また駆け足で僕の横に来る。この繰り返し。

「・・・君はさ、無人島に1つだけ持っていけるとしたら何を持っていくの?」

くだらない。そんな質問を何故か僕は口にしていた。

「うぅーん・・・月島くんかな?」

「はっ!?」

驚いて彼女を見ると、相変わらず気の抜けた声でへへへーと笑っていた。

「だって、月島くんが面倒見てくれないと生きていけなさそう…」

またへへへーと笑って歩き出した。

「僕は一緒に行きたくないけどね」

「だよねー。困ったなー」

すぐ引き下がるなら言うなよ。
簡単に引き下がられると、突っぱねたこっちが負けたような錯覚に陥る。

本当に君が嫌いだ。









“月島くんが面倒見てくれないと生きていけなさそう”

平気でそんなことを口にする君が僕は嫌いなんだよ。



TheEnd
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