第52章 【田中 龍之介】My First Kiss
「おぅ、龍!ちょっとコンビニ行って来い!」
「はっ!?今部活から帰って来たんだけど…」
俺は帰宅して早々、姉ちゃんにパシリにされた。
今日は大学の友達を呼んで宅飲みをするらしい。
お駄賃に釣られて、俺は今買い出しに出た。
「お帰り、龍!!」
俺が2度目の帰宅をすると、姉ちゃんが出迎えた。
「姉ちゃん、飲むなら外で飲めよ!うるさくて勉強できねーだろ!」
「勉強なんてしてないくせに何言ってやがる!」
俺と姉ちゃんが言い合いをしていると、数人の足音が聞こえてきた。
「えぇー、冴子の弟?かっわいいーーー」
「若ーい!高校生いいねー」
「あっ、龍之介ッス。いつも姉がお世話になってます」
俺は敬礼をして、コンビニの袋を手渡す。
「どうもありがとう」
「あっ、いえ」
無意識なのか。
俺はその中でも断トツできれいな人に袋を手渡していた。
ニコっと笑う彼女は、艶っぽくてまさに年上のお姉さんって感じがした。
会話の中で彼女が「ひろか」という名前だと分かった。
姉ちゃんたちが部屋に戻ったので、俺も飯を食って部屋に入った。
隣からは女子達のきゃっきゃする声が聞こえる。
それが永遠に続いている。
女子はよくそんなに話すことがあるもんだな。と感心するほど。
俺は恒例の筋トレを終えて、床についた。