第51章 【灰羽 リエーフ】コンプレックス
「えっ!?本当にバレー部に入ってくれるの?」
「うん!」
私はあれから正式にバレー部に入部した。
「でもいいの?背伸びるの嫌だって言ってたじゃん?」
「いいの。あと2センチ伸ばすの!!」
「???」
人生で初めて好きな人の好みになるための努力をしている。
可愛くなりたい。彼好みになりたい。
オシャレだって本当に楽しい。
本当は女の子らしいスカートが好きだったけど、リエーフがスキニーが好きって言うからパンツスタイルに変えた。
少しでも女の子らしく見える様に伸ばしていた髪も、短く切った。
バッカみたい。
自分でもそう思う。
でも、バカみたいだけど、私はすごく幸せだった。
「なぁ、ひろか~。俺また身長伸びた!」
「はっ!?また私も伸ばさなきゃダメなの?」
「だな!」
リエーフをそう言って私にキスをした。
「だってキスするの大変じゃん?」
「・・・バカ」
「チービ!」
「巨人め!!駆逐してやる!!!」
「なんだと!チビの癖に生意気だ!」
私たちはじゃれ合ってまたキスをする。
「ねぇ、見てみて!あのカップルモデルさんかな?」
「すごーい。彼氏カッコイイね!あっ、彼女も可愛いー」
神様、
私は少しずつ、自分を好きになれそうです。
TheEnd