第38章 【東峰 旭】もう一度だけ・・・
それからというもの、最低でも1か月に1回は会う約束をした。今まではひろかが宮城に帰って来るばかりだったけど、俺も東京へ行くようにした。
初めて東京に行ったときには、サークルの人に紹介された。
「これが噂のひろかの彼氏か~」
「本当、いっつも旭が~旭が~だもんな、ひろかって」
「ちょっと、やめてくださいよ~」
サークルの仲間にからかわれて顔を真っ赤にするひろかを見て俺も顔が赤くなる。
「・・・結局元サヤかよ」
背後から声をかけてきたのは奥下だった。
「もう、泣かせんなよ」
俺の肩にトンっと拳をぶつけて、じゃぁなと去って行った。
そんな奥下に可愛い女の子が声をかけていた。
「奥下くん、あの子と最近いい感じなんだよ」
ひろかがそう言ってほほ笑んでいた。
「旭、今日は前に言ってた美味しい焼肉屋さんに行こうと思ったのに…!」
「納豆ごはんでいい。だから、俺から離れないでよ」
毎日会えない分、会った時に100%の想いを伝えた。
「えぇー?・・・でもいっか。旭と一緒ならそれでも」
俺たちは何度も愛を確かめ合うんだ。
これから先、きっとずっと一緒だから、
この試練を乗り越えよう。
乗り越えた先にはものすごい幸せが待っているのだから。
「ひろか・・・愛してる」
TheEnd