第33章 【山口 忠】俺は山口忠
「おはよう、ツッキー!」
俺はいつものように駅のホームへ向かう。
辺りを見渡すと佐藤さんがこっちを見ていた。
胸元で小さく控えめに手を振る佐藤さんに俺も小さく手を振り返す。
「何やってんの、山口」
「えっ!?なんでもないよ?」
「ふぅ~ん。僕にも言えないんだ~」
ツッキーは少し意地悪そうに笑いかけてきた。
「ツッキーは俺宛ての手紙って気づいてたの?」
「当たり前でしょ。ってか、山口に渡してたでしょ。まさか山口に先越されるとはねぇ~」
「違う!付き合ってるとかじゃなくて…友達だから!!」
必死に否定したら、ツッキーが吹きだして笑った。
「友達・・・ね?」
ツッキーは何でもお見通しなんだ。
俺に可愛い女の子の友達が出来ました。
TheEnd