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【★ハイキュー!!★】短編集

第32章 【月島 蛍】君の恋のメゾット


「「おつかれっしたー」」

部活が終わり、僕は汗を拭いて体育館の壁によしかかる。

「月島、お疲れ」

そう言って、僕にドリンクを渡してきたのは同じ1年のマネージャー佐藤ひろか。
始めて会った時から、なんとなく波長が合う女。

「影山ー!トス上げてくれー!!」

日向が自主練のため、王様に声をかけている。
そんな日向を笑って見つめている彼女。

「…よく、日向と付き合ったよね」

僕が彼女にそう聞くと、今日の練習記録を書きながら口を開く。

「自分でもビックリ」

彼女は、ハハと笑ってペンを動かす。
僕は手渡されたドリンクを口に含んだ。

「私さ…たぶん、月島みたいな人がタイプなんだと思う」

僕は口に含んだドリンクを吹き出しそうになった。

「月島の第一印象って、取っ付きにくそうにしてるけど、この人とは気が合うって思ったんだよね」

彼女も自分と同じ様に感じていた事に驚き、
僕は何も言わずに口内のドリンクを飲み込んだ。

「翔陽の第一印象って、弟って感じだったし、彼氏とか考えられなかったし、男を感じなかったよね」

「他の1年は?」

僕が口を開くと、ん?と一度僕の顔を見上げてまたノートに目を落とす。

「うぅーん。影山は…バレーバカだし。山口は…仲のいい男友達って感じ」

王様の評価に吹き出してしまう。

「月島もそう思うでしょ?消去法でいっても月島なんだよね」

「へぇー」

僕は興味ないフリをする。

「あはは。そういう反応も結構好みだったりする」

そんな恥ずかしいセリフをさらっと言う君は
僕が動揺していることは気づいていない。

「私、昔から勉強出来る人好きだったし」

「ダメでしょ、日向」

彼女は苦笑いしながら、話を続ける。

「私、身長も高い方だしね。背が高い男性はやっぱり魅力的だよね」

彼女は僕を再び見上げて、しばらく無言で見つめる。
その後、うん。と頷く。一人で解決するのはやめてほしい。

「じゃぁ、なんで日向なのさ」

僕がその質問を口にした時、彼女はキャプテンに呼ばれて去って行った。

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