第30章 【田中 龍之介】嘘つき
「龍…!」
「おぅ、ひろか。どーした」
「私、ずっと好きでした」
私は今日、ずっと好きだった彼に告白をした。
はずだった。
「はっ!?」
「えっ!?」
好きでしたの答えが“は!?”ってどういうこと?
「お前、それマジで言ってんのか?」
彼がそんな風に言うから、私は咄嗟に冗談にしちゃう。
「うっそだよ~!」
「はぁ!?てめぇ、なめてんのか!?」
ごめんごめん。と龍に謝って教室を出た。
「おっ、おい!待てよ!…お前もしかして・・・」
龍が焦って私を追いかけてきた。
私の嘘がバレた!?私は顔が真っ赤になった。
「もしかして…告んのか?あいつに!」
「えっ・・・?」