第29章 【菅原 孝支】私の親友は清水潔子
私は佐藤ひろか。
烏野高校に通う、高校3年生。
部活には所属していない。
理由は・・・
実は年の離れて妹がいて、仕事で忙しい両親の代わりに私が妹の世話をしている。
学校が終わると同時に、幼稚園へお迎えに行く。
本当は部活とかバイトとか青春!って感じの事をしたいけど、妹は可愛いし、なんとかやっている。
「潔子~!早くご飯食べよ~?」
そしてこの子が私の親友の清水潔子。
中学から一緒で、潔子と一緒のクラブに入っていた。
高校に入ってからは私は妹のこともあり部活に入らず、潔子は男子バレー部のマネージャーになった。
潔子は昔から美人でとってもモテた。
「佐藤~、清水って好きなやついるのかな?」
昔好きだった男の子にそう聞かれたこともあった。
潔子は外見だけではなくて、内面も本当にいい子だった。だから、私が好きだった男の子が潔子を好きになるのは当たり前だと思って彼の応援をした。
潔子にも私が彼に恋心を抱いてることは言わなかった。
結局二人が付き合うことはなかったけど、私は告白をしないままフラれてしまったのだ。
高校に入ってからも潔子の人気はすごかった。
いつも隣にいた私は、潔子に対する質問攻めにあう日々。
でも、そんなのは中学の時から慣れっこだった。
「潔子ってどんな人がタイプな訳?」
「うぅ~ん。高倉健みたいな人…」
「渋っ!!」
潔子はモテるけど、ちょっと変わった子だったから彼氏がいたことはない。
普段は無口だけど、私といる時は結構笑ったりする。
「じゃぁ、ひろかはどんな人が好きなの?」
潔子がそんな事聞くから、私は黙ってしまう。