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【★ハイキュー!!★】短編集

第24章 【孤爪 研磨】前途多難



ダメだ。これ以上は無理。
私は手首で縛られたネクタイを必死で外した。
手が自由になり、タオルを取る。

「研磨!黒尾くん達に何を吹き込まれたのか知らないけど、その…私たち、ノーマルもまだなのに、こんな…だから初めはちゃんと…!」

私がそう言うと、研磨はポカンとしていた。

「・・・ノーマル?何のこと?」

すると私の携帯が鳴った。

『勘違いして研磨を襲うんじゃねぇーぞ』

黒尾くんからだった。
ありえない。ありえない。
きっと、なんかのゲームだと適当な嘘をついたんだ。

研磨はすぐ黒尾くんのいう事を信じちゃうんだから。

「・・・ねぇ、さっきのどういう意味?
ノーマルとか、初めてはちゃんと…とか」

私は慌てて研磨から遠ざかる。

「いやいやいや、違うの。
えっと、えーーーーっと。とにかく違うの」

私は赤く火照った顔を
手のひらで仰いで冷ました。

「・・・あっ、そう」

「・・・うん」

「・・・あのさ」

「・・・はい」

研磨は私の方に少し寄って、
恥ずかしそうに俯きながら口を開いた。

「・・・ぎゅってしてくれない?」

私は何かが爆発した。
可愛すぎる、研磨可愛すぎます。

私は思いっきり研磨を抱きしめた。

「・・・ひろか、苦しい…」

私はゆっくり力を抜いて、研磨を見た。
研磨もこっちを見ている。
見つめ合った二人。
もうここはキスでしょ?
初めてのキス…今日…ここで…。

「・・・ひろか、もう離して?」

顔を真っ赤にして私の腕の中から出ていく研磨。

もう…研磨が可愛すぎて理性が働きません。
このまま、私がリードして進展させよう。

いや、ダメだ。純粋な研磨にそんなこと出来ない。
研磨が目覚めるまで待とう。
私は心に誓った。



「・・・ひろか、怖い顔してる」

俺なんか怒らせることした?と
ちょっと不安そうな顔でこっちを見る研磨。

うっ…ダメだ。可愛すぎる。





蛇の生殺しってこんな感じなんでしょうか。

『黒尾くん。お願いです。
私のストッパーが外れる前に
どうか、彼にレクチャーしといてください』

『ボクが親切なのはいつものことです。
ですが、純粋な研磨を汚すなんてことは出来ません』




私の恋は前途多難です。



TheEnd
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