第23章 【赤葦 京治】俺って最強
キキィ
部活が終わり、俺たちが学校を出たその時、
目の前に見慣れた車が止まった。
「京治!お疲れさま!」
助手席の窓が開いて、奥の運転席から
彼女の声が聞こえた。
「あっ、じゃぁ皆さんお疲れ様です」
俺は木兎さん達に挨拶をして車に乗り込んだ。
「えっ!?誰?誰なの!?」
外で騒いでいる木兎さんに
彼女はにっこり微笑んで会釈をし、車を発進させた。
彼女は佐藤ひろか。
正真正銘俺の彼女だ。
ひろかは出版社に勤める
バリバリのキャリアウーマンだ。
ヘアスタイル、ネイル、ファッション、
いつもしっかり身なりを整えていた。
外を歩けば、男女問わず視線を集めている。
ピピピピ
「はい、佐藤。
…えっ、モデルが入院!?分かった。
すぐ他のモデル事務所あたって。
あと、スタイリストたちにも連絡。
・・・うん。そう。
・・・大丈夫。私がなんとかするから」
彼女は車を止めて、後部座席に積んでいたノートパソコンを開いた。
彼女は仕事モード。
俺は長くなりそうだったので、
車から降りて近くのコンビニへ行った。
「だから、大丈夫だって言ったでしょ?
それより、明日よろしく頼むね?
期待しているから」
飲み物を買って戻ると、
どうやらトラブルは解決したようだった。
カッコ良く仕事をこなす彼女を
俺は本当に尊敬している。