第22章 【及川 徹】ふざけたあいつ
「・・・及川くん!」
体育館からあいつが出てきたのを見つけて
私は走って追いかけた。
「あれ~?佐藤ちゃん。どーたしの?」
私は乱れた呼吸を懸命に整えた。
「・・・これ」
私は手に持っていた本を差し出した。
「もしかして、読んでくれたの?」
私はコクンとうなずいた。
すると彼は笑ってその本を手に取った。
「佐藤ちゃん、これ面白かった?」
「・・・うん」
「恋愛ものもなかなかでしょ?」
「・・・うん」
「恋…したくなった?」
「・・・うん」
「じゃぁさ、俺と恋してみる?」
私はあいつと2回目のキスをした。
TheEnd