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【★ハイキュー!!★】短編集

第21章 【烏養 繋心】夜空がとてもキレイだから、私は涙を流すんだ。


ピロン

携帯が鳴って、画面に目を向けると
高校時代の後輩から連絡が着ていた。

「お盆休みかぁ…」

私は手帳を見て、すぐに航空券の手配をした。



「ただいま~」

久しぶりに帰った実家では、母が嬉しそうな顔で私を出迎えた。
高校卒業後、東京の大学へ進学し、
そのまま東京で就職をした。

東京での生活も慣れて、今では地元の不便さも
なんだか懐かしく感じてしまう。

高校時代、私はバレー部のマネージャーをしていて、
毎日、青春を謳歌していた。

今日はその部活仲間との同窓会。
私は仕事を早々に終わらせて地元に帰って来ていた。
母の話が長くって、スタートの時間に遅刻してしまった。

私が知らされていたお店に入ると、
懐かしい仲間達がいて、すごく穏やかな気持ちになる。
先輩や後輩、みんなあまり変わってなくて少しホッとする。

入店して早々、みんなからのお酌を受け、
一段落した頃、私は辺りを見渡した。
そこには、私の方を見ながらも、
全然こっちに来ようとしない子がいた。

「けーいしんっ」

私は、その子の元へ行った。
繋心は私の一つ下の後輩だった。
監督の孫ってことで、他の子達よりも
色々辛い思いをしてきた子だった。

そんな不器用な繋心を私はいつも気にかけていた。

それから、なんとなく繋心が
私を好いてくれている事は分かっていた。
でも、私は特にアクションを起こしたりはしなかった。


隣に座ったものの、繋心はあまり私に話を振ってこなかった。
まぁ、昔から私と話す時は口数が少なくなっていたけど。

でも私が別の子達と話をしていると、
いつもうらやましそうにしているのは知っていた。

「へぇ~、そうなんだ」

私は別の子と話ながら、拗ねている繋心の太ももに手を置いた。

私の予想通り、驚いて身体が固まっていた。


そんな繋心が可愛くて仕方なかった。





「せっ先輩…この後抜けませんか?」

繋心は普段は結構口が悪いのに、
私にはすごく丁寧に話しかけてくる。
ヘタレな繋心がそんな事を言ってくるから
私は少し嬉しくなった。

そして、私たちは2次会へ向かう途中で
抜け出す約束をした。

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