第19章 【西谷 夕】誕生日プレゼントは…
「ねぇ、夕くん」
「んー?」
私たちは体育館の壁によしかかって座った。
「私、夕くんと同じ年に生まれたかったな…」
私はまた夕くんに怒られる!そう思って、
ハッと夕くんを見た。
すると夕くんも少し悲しそうに笑って言った。
「俺も、ひろかと同じ年に生まれたかったって思うぜ?
だって、そしたら毎日一緒にいられるもんな!」
そう言っていつものようにニカっと笑った。
「それに部活にひろかがいたら、
テンションあがるしなー!」
「今は潔子さんがいるでしょ?」
笑ってそう言う私に、ちょっと申し訳なさそうに笑った。
「なぁ、なぁ!!」
そう言って夕くんは携帯を取り出した。
「はい、チーズ。おっ、いいじゃん」
夕くんは撮った写メを私に見せてくれた。
制服の二人。
私の手にはバレーボール。
なんだか、部内カップルみたい。
「俺、これ待ち受けにするぜ」
「ちょっ!!ダメダメ、恥ずかしいよ!」
私が慌てて携帯を奪おうとすると、
夕くんはすごい反射でそれを阻止した。
「誕生日プレゼント。これなら残るだろ?」
ニカっと笑うから、もう何も言えなくなる。
「もう一つプレゼントくれよ」
そう言って、夕くんはそっと私にキスをした。
TheEnd