第4章 TARGET:3
「元々ブラートは有能な帝国軍人だった
だが帝都の腐敗を知り我々の仲間になったんだ」
「俺達の仕事は帝都の悪人を始末する事だからな
腐った連中の元で働くよりずっといい」
「でも…悪い奴をボチボチ殺していったところで世の中大きく変わらないだろ?
それじゃ辺境にある俺の村みたいな所は結局救えねぇよ…」
「成る程、ならば余計にナイトレイドがピッタリだ」
「なぜそうなるんだ?」
不思議そうに聞き返すタツミ
「(ただ、革命軍の力を借りて帝国を潰す訳じゃないのか?)」
リリィも同じ様に不思議そうな顔になる
「帝都のはるか南に反帝国勢力である革命軍のアジトがある」
「革命軍…?」
「初めは小さかった革命軍も今や大規模な組織に成長してきた
すると必然的に情報や収集や暗殺など日の当たらない仕事をこなす部隊が作られた
それが我々ナイトレイドだ」
「まぁ、聞いた話しによれば元々とある国…住人全員が暗殺術の心得を持った人達が帝都に侵入して暗殺を繰り返してたらしいけど…国ごと潰されてしまったらしいわ…」
マインの補足にリリィの顔が強張る
「結構酷い話だな…」
「私は1度行った事があるがかなりフレンドリーな国だった…
ただ【争い、血】等の単語を聞くと獰猛な顔付きになり楽しみながら話を聞いていたな…」
「ナジェンダさん行った事あったんだ!!」
「ああ、不思議な国だった。
それにしてもリリィはその国の住人達と顔付き、髪色…似ているな」
「………出来れば気のせいであって欲しいけど、多分それ僕の国。 だと思うよ…
まさか、国ぐるみで革命軍を手伝っていたなんてね」
悲しそうに苦笑いをするリリィ
それにボスは「すまなかった…あとで国の話をしよう」と言ってくれた
「アンタも以外にキツい過去の持ち主なのね」
「そうだね、命を捨ててまで助けてくれたパパとママには感謝してるけど…ここまであそこで生き残るには色んな物に手を付け身に付けてきたよ…窃盗、毒の調合、うんと…生女は守って来たけど必要であれば服も脱いだし…あー…思い出すだけで虫酸が走るなぁ…」
苦笑いしながら淡々と言うリリィにブラートは無言で頭を撫で、レオーネは悲しそうな顔してリリィを、抱き締める