第4章 対決、桜ヶ丘イレブン

「“レインボードリーム”！」
　香織がボールを蹴ると、ボールの軌道に虹が架かる。
「“ゴッドハンド”！」
　円堂が上へと手を挙げると、大きな手が現れる。そして、蹴られたボールを受け止めた。しかし……。
「な！？」
　大きな手が破られ、ゴールの中にボールが入る。
ピー！
『ゴール！　桜ヶ丘中学校サッカー部！　先制ゴール！　FF優勝校、雷門サッカー部！　まさかの先制点を許してしまったー！』
　香織は満足そうに笑って、桜ヶ丘中学校側のフィールドへ戻った。
「円堂、大丈夫か？」
「あァ……」
　駆け寄って来た風丸に円堂は頷く。
「スゲェな……。俺たちが知らないだけで、まだまだ強いやつらはいたんだ……」
「あァ」
　円堂と風丸は香織を見る。
「風丸！　この試合、絶対勝つぞ！」
「もちろんだ」
　風丸は頷いて自分のポジションへ戻って行った。
『さあ、雷門サッカー部のキックオフで試合再開です！』
　今度は鬼道が相手側のフィールドへドリブルで上がって行く。
「吹雪！」
　中間辺りまで行くと、少し後ろで同じようにゴールへ向かっていた吹雪へボールをパスする。
「……ふっ」
　吹雪の瞳の色が青からオレンジへと変わる。
「行くぜ！」