第4章 対決、桜ヶ丘イレブン
「!」
(雰囲気が変わった……)
ーさっきまで大人しい雰囲気だったのに……。
吹雪はどんどん桜ヶ丘サッカー部のフィールドへと駆け上がって行く。MFやDFがボールを奪おうとするが、全く歯が立たない。
「……」
香織はゴールと吹雪の間に割り込んだ。
「“レインボーフィールド”!」
再び、虹のロードを作ってボールを奪おうとする。しかし……。
「甘いな」
「な……!」
カットをしようとしたが、軽々と避けられてしまった。
「“エターナルブリザード”!」
吹雪がボールを回すと、冷気がボールの周りを纏わせてゴールへと蹴る。
「“猪突猛進”!」
健吾が叫びながら拳を前へ突き出すと、猪がボールへと体当たりをする。
「……くっ」
しかし、ボールの威力が強すぎて猪は吹き飛ばされてしまった。
「うわっ!?」
そして、ボールはゴールの網を揺らした。
『ゴーーール! 決まりました! “エターナルブリザード”! 誰も吹雪のゴールを止められないのか!?』
「やったな! 吹雪!」
少しだけ逆立っていた髪の毛が降り、吹雪はゴール前にいる円堂を振り向いた。そして、彼に笑顔を向けた。
「……強いわね」
「あの人、この前のFFでは見なかった顔ね」
「誰かしら?」