第4章 対決、桜ヶ丘イレブン

「さあ、来い！」
ピーッ！
　笛の音がグラウンド内に響き渡り、鬼道から染岡へとボールがパスされる。
『さあ！　今、キックオフです！』
　染岡はドリブルをしながら、どんどん相手のフィールドへと上がって行く。
　葵と明がカットをしに行くが、軽々と避けられる。
「……さすが、FF優勝校のFWと言うべきかしら」
　葵が口角を上げて笑う。
「でも、うちのキャプテンには……どうかしら？」
　染岡がゴール前へと突っ込んで行く。そこへ香織が割って入る。
「今度も避けてやるぜ！」
　染岡は意気込んで突き進む。
「行けー！　染岡ー！」
　ゴール前から円堂が叫ぶ。
「ふふ」
　香織は染岡の元へと走って行く。
「“レインボーフィールド”！」
　香織が技名を言いながら手を横に振ると、虹の道がフィールド上に現れる。
「な！？」
　染岡が驚いている隙に、香織は染岡からボールを奪う。
「あ！？」
　香織はそのまま雷門サッカー部側のフィールドへと上がって行く。雷門サッカー部のメンバーが香織からボールを奪おうとするが、尽く避けられてしまう。
「来い！」
　円堂は徐々に近付いて来る香りを見て構えた。
「行くわよ！」
　香織はボールを上へと蹴り上げる。