第1章 温泉の街で出会った少女
「あー! やっぱ、温泉街はいいなー! な! 吹雪もそう思うだろ?」
オレンジ色のバンダナを巻いている男の子が後ろで歩いている白い髪の毛の男の子を振り返って声を掛けた。
「うん、キャプテン。とっても気持ちいいし、何より温泉に浸かってると心が落ち着くね」
吹雪と呼ばれた男の子は爽やかな笑顔で答えた。
この2人は雷門中サッカー部のメンバーだ。
キャプテンと呼ばれた男の子は円堂守。雷門中サッカー部の創設者であり、キャプテンである。
そして、もう1人の白髪の男の子は吹雪士郎。北海道にある白恋中のサッカー部に所属していたが、今は雷門中サッカー部の新しいエースストライカーとして、円堂たちと共にサッカーをしている。
2人が所属している雷門サッカー部は今、エイリア学園と名乗り、サッカーを使って世界を侵略しようとしている奴らと戦うために全国を旅している。
今日も、彼らに勝つためにサッカーの練習をしていた。そして、それが終わった後に、監督からの提案で珍しく自由時間が設けられた。自由時間と言っても、特にやることも行く当てもないので、円堂と吹雪は温泉街を歩きながら、楽しそうにお喋りをしていた。
彼らが所属する雷門中サッカー部一同は、エイリア学園との戦いや長い旅の疲れを癒す目的で、温泉街に来ているのだ。闘ってばかりいると、体が保たないと監督に進言したマネージャーたちの提案だった。