第2章 若女将は中学生
「あー! 食った食った!」
円堂は食事を食べ終わってパンパンに膨らんだお腹をさすりながら、ニコニコと満足そうに笑っている。
「美味しかったね!」
「はい!」
「こんなに美味しいご飯……久しぶりに食べたわ」
「夏未さんが!?」
秋と春奈はびっくりして、目をまん丸にしている。
「夏未さんがそんなに言うなんて、よっぽど美味しい料理だったのね……」
「さすが、お客様対応でNo.1を取ったホテル……」
秋と春奈は感心したように頷いている。
「失礼します」
そうこうしていると、香織がお部屋へやって来た。
「お食事を下げに参りました」
食事を運んだ時のように正座をして頭を下げてから、メンバーの前にある空になった皿が乗ったお盆を下げ始める。
「なあなあ」
円堂の前のお盆を下げに来た香織に円堂が話しかけた。
「はい、どうされましたか?」
「ここら辺でさ、サッカー部のある中学校はあるのか?」
「……サッカー部……ですか?」
「ちょっと、円堂くん」
キラキラした目で円堂は香織を見るが、秋は慌てた様子で円堂に声を掛ける。
「サッカー部のある中学校なんて聞いてどうするのよ」
「決まってるだろ! そこに行って、練習試合をしてもらうんだよ!」