第2章 若女将は中学生
「うわー! スゲェー!」
「でっかいでヤンス!」
雷門中サッカー部一同は高くそびえているたくさんのホテルを見上げて、口々に思ったことを叫んだ。
「みんな、そっちじゃないわよ。わたしたちが泊まるホテルはこっち!」
秋が指差したホテルは他のホテルより少し小さいホテルだった。
「『ホテル 春の湯』よ!」
「おー!」
雷門中サッカー部一同は目を輝かせた。そのホテルは決して大きいとは言えないが、とても綺麗で和の雰囲気が漂っていた。
「ここかー! 吹雪、楽しみだな!」
「うん!」
吹雪はホテルを見上げた。
「いらっしゃいませ」
そこへ、50〜60歳くらいの女性が来た。
「雷門中サッカー部御一行様でよろしいでしょうか?」
「はい!」
その女性はふわりと微笑んだ。
「長旅でお疲れでしょう。どうぞ、中へお入りください」
「ありがとうございます!」
そう言うと、雷門中サッカー部一同はホテルの中に入って行った。
「うわー! スゲェー!」
「うひょー!」
ロビーも外観と同様に和風になっていた。至る所に高そうな絵画や壺が置かれている。
「いらっしゃいませ」
キョロキョロとロビーを見ている雷門中サッカー部に1人の女の子が声をかけた。