第2章 超能力者
――――朝日が照らし
まぶしそうに目元に手をあて
ベットから起き上がる
少し寝癖がついた髪で鏡の前に立ち
歯を磨き、顔を洗う
朝食は食パンにマーガリン、目玉焼きに少量のサラダ・・・
少しものたりないなら、ヨーグルトも食べておくか。
・・・・・・なーんて、乙女な朝が俺にはねぇ。
却下だ。
これは考えるだけでも吐き気がする
今のは俺が少女として生まれ、青春な学生生活をおくっていれば、の、話だ。
だが、現実は違う
赤い短髪に、左目を包帯で巻き、目つきのわるーい18歳の
青年がぶっちょうずらで起きるんだ
男の朝なんてそんなもんさ
女子力なんて微塵もねぇから
「ん~!
いい朝~」 なーんて、ぜってーに言わねぇし。
俺、デビット・ゲルシュタインの朝はちょー早い
早朝6時に起こされる
それも、彼女やかわいい女ならともかく・・・・
俺と同じくらいの歳のサイボーグに起こされるんだ
もう、最悪だ・・・
誰が好んで男型のサイボーグに起こされる?
俺が寝ている間、頭にチューブさして充電しながら
ずっと監視している
思い出すだけでぞっとする。
暗闇の中、奴のほうへ向けば
赤い機会の目を光らせてこっちをじーっと見つめてやがる
どこのホラー主人公だよ、俺は。