第1章 *片想い[高尾和成]/裏
「オレちょっと出掛けてっから待っててくんね?」
「え…どこ行くの?」
どこから力が出てくるのか、
和成は随分前に脱ぎ捨ててあったスウェットを着ている。
私はというと他人様のベッドに大の字に寝転がっている。
…和成の匂いがする。
まだぼんやりする頭には、それ以上の考えは思い浮かばない。
「コンビニ」
「何買うの?」
今和成が出ていったら…
寝るな。確実に。
「ゴム」
瞑りかけていた瞼をゆっくりと開ける。
にんまり笑った和成に私は顔をひきつらせるしかなかった。
「その顔ですら興奮しちまうんだから、しゃーねぇわ」
「ちょ、…盛りすぎじゃない…?」
「ブフォッ!!
ちゃんがオレを煽るのが悪いって…!!」
もうヤケだ。
戻ってくるまでに体力を回復させてやる。
…数分しかないけど。
ちょっと湿っているシーツに顔を埋め、目を瞑った。
end