第3章 初めての夜と、それから
イク、というのはこういうことか、とぼんやり考えながら満ち足りた気分になっていた。
体に力が入らない。
顔を覆うことを止め、天井を仰いだ。
夜だというのに、真昼のような白色光が私たちを照らしている。
砂漠にいるようだと、ふと思った。
イルミは手を休め、
「俺も、気持ちよくさせてね」
そう言って、服を脱いだ。
白く滑らかな肌が露わになる。
そして何か硬いものを私の陰部にあてがった。
ああ、そうだった。
私は今、犯されているのだ。
熱く硬いそれが何であるかということに気づいたと同時に、それは周りの肉を押し広げながら、私の中に侵入してきた。
「んんっ」
苦しい。
不思議と痛みはなかったが、圧迫感があった。
体の奥まで、イルミを感じる。
イルミは一瞬動きを止め、言った。
「動くよ」
イルミは激しく腰を前後に振り始めた。
どれくらい続いただろうか。
単調で大きな揺れはいつまでも続くように思われたが、ある時大きく体を震わせ、果てたのだろう、イ ルミは私の上に覆い被さった。
息を荒げているのは始めて見る姿だった。
「良かったよ、 ミモザ 」
イルミはそう言って、私の頭を撫でた。
「 ミモザ は?良かった?」
快楽を与えられたことは確かだったが、人生の一大転機をこのような形で迎えたことに、私は憤りを感じていた。
イルミをにらみつけ、何も答えずにいたところ、イルミはぽん、と私の頭を軽く叩いた。
「もう少し、素直になりなよ」
次の瞬間には私は不思議と怒っていたことを忘れ、イルミにすりよっていた。
「すごく気持ちよかったよ。ありがとう、イルミ。イルミとするの、大好き」
その後、念能力も発動したため私はくたくたになったけれど、翌日のイルミはとてもはつらつとして、調子が良さそうだった。
「 ミモザ のおかげでよく眠れたよ。ありがとう」などと感謝されると、私は、役に立てて良かったと思うのだった。
それ以来、ムーピーゲームを行う前に交わることが私たちの習慣になった。