第3章 初めての夜と、それから
馬乗りになったイルミに、片腕を押さえ込まれた。
「や」
止めて、と言おうとした口をイルミの唇によって塞がれる。
生き物のような舌が無遠慮に入ってきて、私の口腔内をまさぐる。
イルミの片方の手は、布越しに私の胸を撫でつつ、足はがっちりと私の下半身を抑えている。
片腕でイルミの胸を押しのけようと努力しながら、人というものは、同時にいろんな動きができるのだな、などと考えていた。
やがて力尽きた私は抵抗をやめ、ぐったりした体をイルミにまかせた。
「いい子になったね、 ミモザ 」
しゅるりという音とともに胸元のリボンがほどかれた。
そこから差し込まれた手が、直に私の胸に触れる。
「ふ」
私は思わず息をもらした。
「声、出してもいいよ。防音きいてるから」
イルミは私の乳首を指先でもてあそび、次に口に含んだ。
「ああ」
えもいわれぬ快感がこみ上げてきて、私は喘いだ。恥ずかしさからいたたまれなくなり、目を閉じ、手で顔を覆う。