第5章 ミッション(若イルミ/使用人/グロ)
イルミは自身の手のひらの中に収まる まだ暖かく生きているような真っ赤な物体に目を落とし言った。
「結構小さいんだね、イッたからかな?ぎゅーっとなってて取りやすかったよ」
「……ア、アルカ、…様…の、所へ…」
「うん」
イルミはそのまま足を部屋の入り口の方へ向ける。
途中でふと振り返って血色を失い血の海に浮かんでいるようなリネルに向かって言った。
「結構血出てるけど大丈夫かな?一応人呼んでおくから止血すれば多分死はしないと思うけど」
「…は、い……お手間を、…おかけ、しまし…た…」
イルミは部屋の時計をちらりと見た。
「48分。
ミッションクリアかな、お疲れさん」
「…………」
イルミの声を遠くに聞きながらリネルはぼやけた視界を遮るように目を閉じた。
fin