第4章 欲情(イルミ/メイド)
自分でも驚いたようにイルミの上からどくと、まだ入ったままであったイルミ自身がズルっと抜けて中からは精液が流れてきた。
少し強張った顔でそれを見るリネルにイルミは部屋の一角を指を指し言った。
「シャワーしなよ」
「え、…ここで、ですか?」
「うん」
「無理です!…イルミ様のお部屋で、そんな事…戻って、浴びますから…」
「だってその顔じゃ戻れないでしょ、顔カピカピ」
「え?!」
「さっき顔にかけちゃったからね、失敗したな」
「あ、……」
「それにバレたら困るのお互い様でしょ。ほら、早くしなよ」
「…は、はい、すみません…」
しばらくすると バスルームに入ったリネルが、本当に浴びたのかと聞きたくなるほどの短い時間で出てくる。
ここへ来た時のようにきっちりメイド服を着直したリネルはイルミに深く頭を下げた。
「シャワーをお借りするなど…、ご面倒をおかけし申し訳ございませんでした」
「いいよ、それくらい」
「…傷は、大丈夫でしょうか」
「うん、まぁちょっと痛いけど大丈夫。俺忙しいしセックスごときで傷開いてられないしね」
「そうですか」
イルミの様子を心配そうに見ていたリネルがふと顔に笑顔を見せた。
「なにがおかしいの」
「いえ。はじめは苛々されていたようですが、今はそうでもなさそうなので良かったな。と」
「ああ、そうだね。雑魚に傷なんかつけられたから久々にだいぶ苛々したけどね」
「そうですか」
「でもリネルとのセックスはなかなか楽しかったから今日はプラマイゼロってことにしとこうかな」
イルミの直接的な言葉に顔をさっと赤くするリネルが、目線を外して恥ずかしそうに言った。
「それは…、評価が、た、高すぎではありませんか…」
「褒めてるのに」
リネルはイルミに再び深く頭を下げ、部屋を後にし、何事もなかったかのように屋敷の廊下を進んた。
fin