第14章 ゾルディック家でクリスマス(微ギャグ/ほのぼの/裏なし)
「はっくしゅんッ……、」
「さみーの?」
「えと、少し…」
そりゃ寒い。
真冬のこの気温の中、半袖ミニスカートのサンタコスプレ1枚だし…
「仕方ねーな。…ほら、着ろよ」
着ていたフード付きのダウンコートを私に差し出すキルア様。
「えぇっ?!大丈夫です!そんな恐れ多い!!」
「俺は風邪なんか引かねーし。リネルこそ体調崩すと仕事辛いんじゃねーの?」
「はい、まぁ…」
「ゴトーお前に厳しいだろ、早くしろよ」
「あ、ありがとうございます…」
キルア様のコートを羽織る…
あったかい…ぬくぬくする…
なんかいい匂いがして、ちょっとドキドキする…
「つーかなんでそんな格好で来たわけ、季節考えろよ」
「これはミルキ様からのクリスマスプレゼントでして」
「え、…そうなの?」
「はい、ご兄弟の皆様 私にまで気を使って下さって。こちらのケーキはカルト様からで」
「ふーん」
「イルミ様はここまで送ってくださいましたし」
「あっそ」
「あ、このトナカイはアルカ様からで」
『ダイスキー♥︎』
「…は?…」
「……っ、」
つい押しちゃった…。
やだなんか恥ずかしい、別に私が言ったわけじゃないのに。
な、何か…話題変えなきゃ。
「…キルア様、ご一緒にケーキ食べません?」
「リネルのだろ?」
「キ、…キルア様と一緒に食べたいんです」
「…まぁいいけど」
言ったはいいけどお皿もナイフもフォークもない。
ど、どうやって食べよう…
「食わねーの?」
「いや、食べたいんですけど…」
「……へぇ、うまいじゃんこれ」
指先でクリームをすくうキルア様。
やっぱりそれしかないか。
キルア様にそんなマナーの悪い食べ方をさせてしまった事がバレたら ゴトーさんに怒られそうだけど…
とりあえずキルア様を真似て食べて、…舐めてみる。
「失礼します。い、いただきます…」
「てかリネルのだろ」
「あ…、美味しいですね!」
「だな」
ふっと笑うキルア様。
……かっこいいし、優しいし。
キルア様がゾルディック家使用人内の坊ちゃん総選挙で常にダントツで首位に立っているのがわかるな…
私も次からはアルカ様じゃなくてキルア様に入れようかな…。