第14章 ゾルディック家でクリスマス（微ギャグ／ほのぼの／裏なし）

キルア様を除いては任務を達成した。
とりあえず執事室に戻ってゴトーさんに報告しよう


「一通り終わりました」

「そうか、ご苦労だった」

「………キルア様を除いては」

「…あぁ？！」


だから怖いって！！


「お留守にされているようでして…っ、どうしましょう！？」

「それ含めてテメーの任務だろーが！」

「え、はい…。プレゼント、渡さなきゃ…ですね」

「それよりも明日のパーティー参加をお約束させろっつってんだよ！
…明日のパーティーのために用意してあるサンタ帽を被ったキルア様のお姿が見れないとなると…使用人の一年間の士気に関わんだよわかってんのかコラ」


ええっ？！そっち！？そっちなの？
ゴトーさんてキルア様に甘いらしいけど贔屓しすぎじゃない？！てか邪な欲がダダ漏れ…

ん、ゴトーさんが私の手元を見てる！？


「なんだそれ、遊んでたんじゃねーだろうな」

「あ、これは坊ちゃん達からいただきました！私にクリスマスプレゼントだそうで…」

「な、……なに…？」


急に膝から床に崩れるゴトーさん。
どうしたの？！


「何年も坊ちゃん達にお使えしている俺ですら…そんな物は…もらったことがないのに……ッ」

「そんなのリネルは可愛い女の子だからもらえるに決まってるじゃないですか」

「カ、カナリアちゃん…そんなハッキリ…」


怖い！！ゴトーさんの反応が怖い。


「……リネル」

「は、はいっ……」

「テメー、一応は女のはしくれならそれ着てキルア様説き伏せて何が何でもキルア様への任務も成功させて来い」

「えぇっ？！」

「命令だぞこれは。ホラ、なんだ……キルア様抜きのクリスマスパーティーなどシルバ様も奥様も納得するわけねーからな」


さっきはサンタ帽がどーのって言ってなかった？！
人のせい？完全に人のせいにしたよねゴトーさん！

ああ、もう…でも命令なら仕方ない。

ミルキ様にもらったサンタコスチュームを着る。
片手にアルカ様のトナカイのぬいぐるみ。
もう片手にはカルト様のケーキ。


「いいだろう、行ってこい」

「は…はい」


何故こんなことに…。
なんか恥ずかしいしこんな格好…。


「可愛いわよ！キルア様もお喜びになると思う」


カナリアちゃん、他人事で言わないで…

私はしぶしぶ執事室を出る。