第11章 秘密(キルア/ミルキ/3P)
「…もう!全然帰らないじゃん!!!」
豪快に叫び声をあげたリネルは改めて時計を見た。
久しぶりにイルミから呼び出しがあり、家に行ったはいいものの、約束の時間から既に1時間経つが全く帰宅の気配がない。
呼び出される用件と言えば何なのかは察しはつき、そのつもりで来ているのに待ちぼうけでは変に苛々して仕方が無い。
リネルはとりあえず気を紛らわせるため時間を潰そうと、頬を膨らませながらイルミの部屋から出た。
コンコン
「キルアー、遊ぼうー」
向かった先はイルミの弟、キルアの部屋。
今までもイルミの不在時はキルアとはゲームをしたりする間柄であるし、しばらくはここで暇つぶしでもしようとした。
「リネル来てたの?今日はイルミのとこじゃねーの?」
「帰ってこない。ねぇ暇だから何かゲームでもしない?」
「いいけど…リネル弱ぇし」
他愛ない会話をしつつも、とりあえずキルアとゲームをはじめたリネル。
「今日は負けないよー!」
「そう言っていっつも負けんじゃん、下手くそ」
「失礼な」
ゲームをしながらリネルはふと隣のキルアに視線を落とした。
改めて見ると、弟という割にはイルミとは全く似ていないと思いなおす。
ゲームをしながらもキルアのコロコロ変わる表情を見ていると、ふと小さなイタズラ心が芽生え、リネルはクスリと笑みをこぼした。
「うわぁ、負けちゃった…」
「ほんと弱ぇよな、リネルは」
「……ねぇ、罰ゲームにさ、チューしてあげよっか」
「あ?……っ!」
リネルは隣に座るキルアの頬に触れるだけのキスをし、ニッコリと笑顔を見せた。
キルアは一瞬ぽかりと口を開けて驚いた顔をしたが、すぐに表情を戻してリネルに反論を返した。
「なにすんだよ!!いきなり!」
「だから罰ゲーム?私負けちゃったし」
「はぁ?!からかうなよ!!」