第10章 変わる環境と気持ち
初めて、泣いてるところを見た
「…私は、頑張りたいです
咲和さんが私を助けたように、
あの子達に教えてあげたいんです…」
みんな寂しさを持ってる。
だから、自分を大切にしていない。
咲和さんだって、そう。
「もしかしたら、あの子達…」
「…晴実さん?」
「あ、なんでもないわ。
それより、今日は休みなさいね
明日もゆっくりしてなさいな
向こうは私がなんとかしておくから」
そう言って、晴実さんは
私を起き上がらせ
事務所の置くの部屋へ運んでくれた
そこはほぼ、私の部屋になってる。
私には家がないから、
ここに住まわせてもらってる
いつもは、私には
住み込みで代理人を請け負うから
家には困らないんだけれど
今回は特殊、だから。
「ちゃん。」
「……はい」
晴実さんが毛布をかけてくれた
そして、優しく頭を撫で
「いつか、気づくかもしれないけど
もしその時が来たらね、
焦らないでゆっくり答えを出しなさい
泣かないで慌てないで。ゆっくり。
それがあの子達への誠意だと私は思うわ」
よく分からなかったけど…、
私はソレが何か、
モヤが掛かってるけれど
理解できたような気もした。
「はい。」