第1章 *悪い夢【リヴァイ】進撃*
あまり思い出したくはない夢の内容。
けどリヴァイが聞いてくるんだから答えないわけにはいかず、は該当する部分だけ記憶から引っ張り出し話し始めた。
「私がヘマをして捕まりそうになっていた所に飛び込んで来たんです……。複数居たのにも関わらず……私だけを突き飛ばして……」
それを聞いて鼻で笑ったリヴァイは「やっぱりな……」と呟く。
夢だろうが現実だろうが、まだ死んでいないが奴らに取り囲まれていたのなら……その場の状況にもよるが、自分は迷いなく突っ込んでいただろうと思ったからだ。
「だがその程度で捕まるとは……ったく、夢の中の俺は情けねぇな」
「でも本当にリアルで……」
「たかが夢だろう。現に俺は生きてる」
「……はい」
「ここに居るだけじゃ不満か?」
グッと腕に力を込めてを引き寄せるリヴァイ。
悲しい気分になっていたのに、リヴァイが直ぐ後ろに居ると思うとドキドキしてしょうがない。
けどはリヴァイの顔が見たくて身体を捩らせる。
無言で腕の力を緩めたリヴァイのお陰ではやっと彼と向き合う事が出来た。